【新唐人2017年3月6日】
中国国営中央テレビ(CCTV)の歴史ドラマ「大秦(たいしん)帝国の勃興(ぼっこう)」の長平の戦いを描いた第30話での趙国の裏切り者名簿に、突如中国共産党指導者らの名前がずらりと並びました。
中国国民は政府上層部の幹部を揶揄して「趙家人(ちょうかじん)」と秘かに呼んでおり、今回テレビドラマの中で名簿に記載された者を国賊であると名指ししています。しかし放送から2日後にネットにアップされたこのシーンはすべて削除されています。『蘋果(ビンカ)日報』は、ネットではこのことに関しての書き込みも削除されており、政府が検閲していると報じています。
一方、多くの中国ネットユーザーがこの問題の映像を見ようとネット規制を突破しています。
この騒動より前の2月18日に、CCTVが自発的に新番組を「検閲」していたことも注目を集めています。
新番組「朗読者」の第1話で米国の歌手ボブ・ディランの名曲「風に吹かれて(Blowin' in the Wind)」を朗読した際、歌詞の一部が削除されました。
まず冒頭の「どれだけの道を歩めば人として認められるのか?」という箇所が飛ばされて二行目から朗読が始まり、次に二番の山場、「山は海に流されるまで何年存在できるのだろう。人々は何年経てば自由の身になれるのか。見ないふりをしながら、人はどれくらい顔を背けるのか。友よ、答えは風に吹かれている」という歌詞も丸々飛ばされました。
1962年に発表されたこの歌は「戦争、平和、自由」をテーマとし、抵抗精神に溢れた歌だと考えられています。今回CCTVが歌詞を「自己検閲」したのは、言論統制が非常に厳しくなっていることの表れだとドキュメンタリープロデューサーである何楊(か よう)氏は言います。
ドキュメンタリープロデューサー 何楊氏:「文革のピーク時まではいかないにしても末期と同等の厳しさと言えます。政府トップにごまをすり、国民の表現の自由を規制し、弁護士を逮捕し、微博の著名ユーザーのアカウントを削除し、『敏感詞』(検索禁止用語)を操るなどの行為は、ここ数年ますます悪くなる一方だ」
何楊氏は政府が自己防衛のために言論統制を厳しくしていると考えます。
ドキュメンタリープロデューサー 何楊氏:「宣伝部の役人たちは危険を察知しているのでしょう。ある政権が終わりに近づく時、たいていいつもこのような大弾圧が吹き荒れるものです。清朝や中華民国の末期にも同じような現象が起こりました。中国共産党政権がこれからも続けていけるかどうか、非常に厳しいと考えます。」
ボブ・ディランは2011年4月6日に北京でコンサートを行いました。20曲近く歌いましたが、名曲「風に吹かれて」は歌われず、ファンをがっかりさせました。『ラジオ・フリー・アジア』は公演の3カ月前に中国共産党の文化担当部署が公演曲について検閲を行ったと報じています。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2017/03/02/a1313998.html(中国語)
(翻訳/白白 ナレーター/佐藤 映像編集/李)